日本ケースセンター

ようこそ ゲスト さん
よくある質問(その他)
ケースに関して法的に注意すべき点はありますか?
助手と共同で作成したケースの著作権
Q. 教授である自分がケースの構想や執筆指導をしましたが、実際には、助手/アルバイトなどにケース作成を手伝ってもらいました。このケースを(教授である)自分の名前だけで登録・公開しても問題はありませんか?
A. 著作権は、実際に著作した人全て(この場合、助手/アルバイトなどを含む)に発生します。

指導教授が自己の名前だけでケースを登録して発表したいという場合には、@著作権(著作権法第27条の翻訳権・翻案権等及び第28条の二次的著作物の利用 に関する原著作者の権利を含むことを明記)の譲渡及びA著作者人格権の不行使について、著作にかかわった人(助手/アルバイトなど)から了承を得る必要が あります。

後日の紛争を避けるためには、上記@Aの合意内容を書面(契約書、確認書、覚書など名称はいずれでも構いません)に記して取り交わしておくとよいと思います。


(例) 「(著作にかかわった人)は、本ケースの著作権(著作権法第27条及び28条の権利を含む)を(著作権を譲り受ける人)に譲渡し、本ケースにかか る著作者人格権(著作権法第18条から第20条までの権利)を(著作権を譲り受ける人)及び(著作権を譲り受ける人)の指定する者に対して行使しないもの とします。」
国家予算で作成したケースの公開・販売
Q. 科学研究費補助金(文部科学省)や技術経営(MOT)人材育成推進事業(経済産業省)予算などの助成金・国家予算を使用して作成したケースも、公開・販売できるのでしょうか?
A. これまでは、補助金等の国の予算により作成された成果物の著作権は、国に帰属するものとされてきました。 しかし、平成16年に制定されたコンテンツ促進法により、国の補助金を受けた成果物でも、可能な限り実際の著作者にその著作権を保持させ、活用の促進をはかるとの考え方に変わってきました。

し かし、いずれにせよ、個別の補助金交付要綱などによって、成果物の著作権が誰に属するのか明示されていると思いますので、要綱の内容をよく確認して下さ い。要綱の中で著作者に著作権が留保されることになっている場合は、著作者において、ケースの公開などの著作権者としての権利を行使できます。ただし、販 売により収益をあげること等については制限が課されていることもありますので、あわせて要綱を確認して下さい。
職務上作成したケースの公開・販売
Q. 所属機関(大学・企業など)で仕事としてケースを作成しましたが、このケースを公開・販売してもいいのでしょうか?
A. 職務上作成された著作物は、契約、就業規則等に別段の定めのない限り、原則として作成者の所属機関(企業・大学など)に帰属すると考えられています(著作権法15条)。 また、勤務時間外での個人の発案に基づき作成された著作物など職務上作成されたものではない著作物でも、その組織内の規約により、従業員(教官も含む)が作成した著作物の著作権は所属機関に譲渡されることが別途規定されていることもあります。


このように、所属機関がケースの著作権を持っている場合は、実際の作成者だからといって、勝手に公開・販売することはできません。その場合、著作権者に趣旨を理解してもらい、公開・販売の手続きを進めてもらえる様、お話下さい。
ページトップ
ケース作成に関して
書籍・HP等からの引用の注意点
Q. 自分のケースの中で、他の人の著作物(書籍・論文・新聞・雑誌・ホームページ等)から一部を引用しましたが、ケース内で出典を記載しておけば、引用先から許可を得なくてもいいのでしょうか?
A. 書籍・論文・新聞・雑誌・ホームページ等から、一部の内容(図やチャートなどを含む)をケース内に引用する場合、「公正な慣行に合致した」「引用の目的上 正当な範囲内」の引用であれば、著作権法上許された引用となり、引用先から許可を得なくても自由に引用できます(著作権法32条)。

社会感覚に照らして、あくまでもケース本体を「主」、引用部分を「従」とする主従関係を看取できる引用であれば、原則として、引用先から許可を得る必要の ない、著作権法上許された引用と評価できると思います。その場合、どこから引用したのか、出典を明記する必要があります。

ただし、特にホームページなど、利用規約等で「無断転載・引用禁止」と規定しているところもありますので、利用規約を確認し、必要であれば利用許可を取得して下さい。
設立に加わった企業のケース作成と公開
Q. 自分が設立に関わった会社を昨年退職しました。その会社で自らが関わった研究成果についてケースを書こうと思いますが、そもそも自分の会社の様なものなので、企業から公開承諾をもらわなくても問題ないですか?
A. 以前の経営者や実際の研究担当者とはいっても、すでに退職した企業の当時の研究成果・技術内容についてケースを作成して公開する際には、企業からの公開承 諾が必要です。特に、企業で職務上行われた研究成果は、研究担当者ではなく、その会社自体に研究成果(発明、創作などに関する権利)が帰属する場合が殆ど であると考えられます。

そのような場合、「自分の会社・研究だから」と考え無断で公表してしまうと、その企業に帰属する著作権その他の知的財産権を侵害する可能性があり、また、 営業秘密の公表として不正競争防止法違反と判断されてしまうことがありますので、その会社の現在の責任者からケースの公開承諾をもらって下さい。
実在する人物の扱い方
Q. ケースの中で、実際に存在する人について記述している部分があるのですが、本人からの承諾を得る必要はありますか?
A. 実際に存在する人物について記述し公開する場合、ご本人のプライバシーを侵害するものと判断されることがあります。よって、ご本人から内容及び公開について了解を得ることが原則として必要です。

仮名を使用すればプライバシー侵害の問題を回避できる場合もありますが、仮名でも明らかに個人を特定できるような内容が書かれている場合は、その限りではありません。個人を特定できる可能性が多少でも残る場合には、紛争回避のため、ご本人に承諾してもらうと安心でしょう。
人物写真の扱い方
Q. ケースの資料として人物の写真を載せたいのですが、どんな手続きが必要でしょうか?
A. 人物を写しているかどうかに関わらず、写真を利用する際には、まず撮影者から利用許可を得る必要があります。その際、被写体が個人である場合には、肖像権侵害の問題が生じえますので、その個人からも利用許諾をもらって下さい。

公道や公園など公の場で撮影された写真であっても、プライバシー権・肖像権を放棄しているとまでは考えられないことが多いので、そのような場合でも後日の紛争を避けるために、個人が明確に特定できる写真の使用は避けた方がよいでしょう。
ページトップ
ケースの利用に関して
ケースの無断コピー
Q. 日本ケースセンターからケースを1部購入しました。学校の授業で使う為に、学生の人数分だけコピーして配ることは、何か問題があるのでしょうか?
A. 無料公開のものを除いて、教育現場で使用する場合でも、ケースを1部のみ購入し、学校の授業で使う為に学生の人数分だけコピーして配ることは許されません。

著作権法上は、学校の先生などが授業で使用する場合、著作権者の了解なしに著作物を複製できるという例外規定があります(著作権法第35条1項本文)。し かし、その場合も「当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害する場合は、この限りでない」とされています (同法35条1項但書)。

ケースは、本来、学生個人が各々購入し各1部ずつ使用することを前提としていますので、教育現場で使用する場合でも、1部のみ購入して学生に多部数コピーして配布することはできません(無料公開のものを除く)。

許可なくコピーをした場合は、民事上損害賠償を請求され、また、刑事上の責任の対象(5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金)となります(著作権法119条)のでご注意下さい。
ケースの翻訳
Q. 外国語で書かれたケースを自分で翻訳して授業で使いたいのですが、何か手続きが必要ですか?
A. 海外のケースを翻訳して使用する場合、公開・非公開に関わらず、該当するケース提供機関へ、翻訳許可の申請をする必要があります。翻訳後の著作権の所在・取扱い等については、各ケース提供機関ごとに規定が異なりますので、確認の上、申請を行ってください。
ページトップ
海外ではどんなところがケースを扱っていますか?
バージニア大学ダーデン・スクール・オブ・ビジネス(アメリカ)  
  Darden School of Business, Virginia University
1825年に創設された公立のバージニア大学において、ビジネス・リーダーを育成するために、1956年に設立されたダーデン・スクール・オブ・ビジネス(ダーデン)はケースメソッドを中心としたカリキュラムを提供しています。現在、討議用ケースや産業情報などテクニカルノートといわれる情報ケースが2000以上公開されています。
››ダーデンのケースについてのウェブサイトはこちら
ケースセンター(旧ecch)(イギリス)
  The Case Centre
The Case Centreは、当初the Case Clearing House of Great Britain and Irelandとして、.ヨーロッパでの経営者教育の質の向上を目指し、1973年にヨーロッパ各地の高等教育機関が中心となって創設した非営利・会員組織です。当初はヨーロッパ中心の活動でしたが、現在では、アジア、アフリカを含む世界規模で、ケースの収集・販売を行い、取り扱うケースは8万ケースを超えています。設立40周年にあたる2013年にecchからThe Case Centreへ名称を変更し、各種研修やケース開発支援にも力を入れ、更なるケースメソッド教育の普及を目指しています。
››日本ケースセンターがケースを提供することができる機関はこちら。
これら機関の日本語翻訳版があるケースは、日本ケースセンターを通じて入手することができます。
››The Case Centreのケースに関するウェブサイトはこちら
ハーバード・ビジネス・パブリッシング(アメリカ)
  Harvard Business Publishing (HBP)
HBPはハーバード大学の出版部門として、1994年に設立された出版社です。1920年代に企業経営者に必要な能力を実践的に身に付けるためにハーバード・ビジネス・スクール(HBS)がケースメソッドを導入しました。討議型の授業で実社会の出来事を疑似体験するものです。HBSのケースの多くは世界中で経営者教育に活用されており、また、ケースメソッドの普及にHBSは積極的に他の組織を支援しています。HBPから、数多くのケースやケースメソッド普及のための教材や書籍が出版されています。現在、HBPの英語ケースは英語版も日本語翻訳版もともに、日本ケースセンターでお求めになれます。 (ケースメソッドの指導方法を解説したHBSのビデオをこちらからご視聴いただけます。言語は英語です。)
››HBPのウェブサイトはこちら
インシアッド (フランス・シンガポール)
  INSEAD
フランスとシンガポールにキャンパスを持ち、中東、中国にリサーチセンターを設けているインシアッド(INSEAD)は参加者が最も国際的なビジネス・スクールの一つに数えられています。ケースメソッド中心のカリキュラムで授業が行われ、INSEADの国際性に対応したケース、ヨーロッパとアジアや中東などの事業展開の課題、環境、イノベーションなどにも力点を置いています。現在、INSEADは1000以上のケースを保有しており、毎年100ケースが新たに開発されています。
››インシアッドのケースについてのウェブサイトはこちら
アイエムディー (スイス)
  International Institute for Management Development (IMD)
スイス、ローザンヌにあるIMDは10ヶ月のMBA(年間クラス80名程度)の他、グローバル企業の経営幹部向けに焦点を当てたコースを数多く実施しています。従って、IMDのケースは参加者の経験を引き出しつつ、ケースの課題を議論するように考えられたものが多くあります。ヨーロッパで事業展開する企業に共通する課題をテーマにしたもの、同属企業の課題、ヨーロッパからアジアへの事業展開など、北米のケースと一味違うものがあると自負しているようです。現在、3000以上のケースがあり、2000年以降のケースだけでも600を数えます。
››IMDのケースについてのウェブサイトはこちら
ウェスタン・オンタリオ大学 リチャード・アイビースクール(カナダ)
  The Richard Ivey School of Business, University of Western Ontario
リチャード・アイビー・スクールは、カナダでも屈指のケースメソッド教育で知られたビジネス・スクールです。大学院および学部学生も対象としたケースがあり、また、香港キャンパスを開講したことをきっかけに、中国はもちろん、アジアの他の地域の企業経営のケースを多数開発しています。異文化下での経営などのケースは特徴的です。現在のケース保有数は7000ケースですが、頻繁に使われているものは、2200ケース程度あります。
››アイビーのケースについてのウェブサイトはこちら
アスペン・インスティチュート/ケースプレース(アメリカ)
  CasePlace/ Aspen Institute
社会的責任感のあるビジネス・リーダーを育成することを目的に創設されたアスペン・インスティチュートのプログラムであるセンター・フォア・ビジネス・エジュケーションは、持続的経営、環境に配慮した経営、コーポレートガバナンスなどについての課題を中心に教材、コースのアイディアなどを収集し公開しています。環境、人権問題、企業倫理、政府と企業の関係、企業統治、リスク管理など経済・経営の課題についてのカリキュラムの検討の一助となるケースや論文を検索することが出来ます。
››センター・フォア・ビジネス・エジュケーションの活動についてのウェブサイトはこちら
ページトップ
© 2006 一般財団法人 貿易研修センター(IIST)