インキャットは最先端の高速アルミニウム双胴船フェリーのメーカーである。同社は本拠地であるオーストラリアのタスマニア州において、最大の民間雇用主に成長したという点で、起業家のサクセスストーリーであった。同社の精力的なCEO兼創始者であるロバート・クリフォードは、2000年までに異なるフェリーの設計を必要とする、いずれも利益の上がる、ふたつの注文のうちどちらかを選択しなければならなかった。ひとつは、現行の96mの設計に基づくもので、もう一方は長さを200mまで飛躍的に伸ばすことにつながった。この「社運を賭けた」決断に対するトレードオフ分析は、製造の複雑さ、オペレーション能力および持続可能な成長への挑戦といった議論を呼び起こすものである。