富士フイルム: 第二の創業
- ケース
富士フイルムはデジタルイメージングがそのコアビジネスに置き換えるようになった当時、世界で第二位の写真フィルムメーカーだった。ポラロイドのような写真専門の企業とは対照的に、富士フイルムはデジタルイメージングへの移行を成功させていた。2000年には世界的なデジタルカメラマーケットで20%以上のシェアを占めており、同時に、世界的なフィルムのマーケットでは1990年にはわずか18%であったシェアが約35%までになっていた。この業績にもかかわらず、2006年までに同社は、新たな成長の機会を見つける必要性を感じ、特殊化学品の専門知識を活用する他の市場を積極的に探していた。しかし、そのプロセスで、同社は自己の存在感を失いかけていた。「もし我が社がイメージング企業ではないとしたら、何なのであろうか?」というのが最高経営責任者(CEO)によってもたらされた重要な疑問であった。このケースでは富士フイルムがどのようにしてアナログからデジタルイメージングへの移行に成功したのか、また、CEOは今”第二の創業”をどのように考えていくべきなのかのふたつを検討していく。