ケースメソッド授業法:HBSケース「未来への飛行:ホンダジェット」を用いた討論授業運営の検討《CCJ/HBSP共同開催》

日時:
2025/6/27 Fri 13:30-16:30
場所:
名古屋商科大学ビジネススクール東京キャンパス 723教室(対面形式での開講です)
定員:
40名
費用:
13,200円(税込)

Harvard Business School Publishingと日本ケースセンターが共催する第5回セミナーのお知らせです。これまで同様にHBSケースを使用しますが、資料はすべて日本語に翻訳されたものを用意し、講師の解説もすべて日本語で行います。

今回の開催趣旨

Harvard Business School Publishingと日本ケースセンターの協同企画は今年で5回目となりますが、日本で経営教育に携わる方々がHBSケースを用いて行うケースメソッド教育を支援するための研修会合、という一貫した目的を維持してまいりました。事実、この研修会合の後には、当該ケースを使用して行う大学授業や企業研修が増えており、一定の成果を上げているものと感じております。

今回のディスカッションリーダーを務めていただく水野由香里教授は大学学部および大学院の双方において、また企業研修においてもケースメソッド教育の実践経験が豊富で、ケースメソッドでの教え方に関する書籍も著されており、日本を代表するケースメソッド教育者のお一人としてご活躍中です。

今回は水野先生のご専門である戦略論(戦略的意思決定)を主題にしたHBSケース「未来への飛行:ホンダジェット」をもとに、大企業が高い事業リスクかつ長期にわたる新事業開発に携わる経営者らの苦悩とプロジェクトリーダーの葛藤を考える授業運営の一方法をご紹介いたします。

今回のオンラインセミナーの目的は、一義的にはケース「未来への飛行:ホンダジェット」の授業運営方法研究でありますが、参加者ご本人のご専門を問わず、多くの会員にご参加いただけるように、ビジネス教育以外のフィールドから参加される方々を対象とした特別予習会合(6/23月曜朝10:00-11:00/任意参加/事前申込制/Zoom)もご用意しました。

本セミナーの当日が、ひとつのケースを起点にしたケースメソッド授業の奥行きや広がりを感じていただく場にも、また、ケースでの教え方を相談できる仲間を発見する場にもなればと考えております。

ぜひ多くの皆さまにご参加いただきたく、ここにご案内申し上げます。

モデレーター

竹内伸一(日本ケースセンター所長/名古屋商科大学ビジネススクール教授) 

ディスカッションリーダー

水野 由香里(立命館大学大学院 経営管理研究科/ビジネススクール 教授) 副研究科長 経営管理専攻長

モデレーターおよびディスカッションリーダーのプロフィール 

竹内 伸一(たけうち しんいち) 日本ケースセンター所長/名古屋商科大学ビジネススクール教授

早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。マツダ株式会社を経て、慶應義塾大学大学院経営管理研究科修士課程修了(修士(経営学))、慶應義塾大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得退学、広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了(博士(教育学))。専門はケースメソッド教育。慶應義塾大学大学院経営管理研究科特別研究助手、特別研究講師、特任准教授を経て、2016年徳島文理大学人間生活学部教授、2018年より現職。アカデミックバックグラウンドは教育学にその基礎を置くが、教育学と経営学の両面からアプローチできる立場にある。ケースメソッド教育に関する著書・論文・記事の執筆、企業研修・大学FDへの出講のほか、講師の養成、大学や企業における組織的教育実践の支援も行っている。

水野 由香里(みずの ゆかり) 立命館大学大学院 経営管理研究科(ビジネススクール) 教授

2005年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位修得退学後、独立行政法人中小企業基盤整備機構リサーチャー、西武文理大学サービス経営学部専任講師、同大学准教授、国士舘大学経営学部准教授、同大学教授を経て、現在に至る。東北大学博士(経営学)。2018年より中小企業大学校東京校・関西校「高度実践型経営力強化コース」研修講師。中小企業庁 中小企業政策審議会臨時委員なども歴任。研究書に『小規模組織の特性を活かすイノベーションのマネジメント』(碩学舎)、『戦略は「組織の強さ」に従う』(中央経済社)、『レジリエンスと経営戦略』(白桃書房)、『組織盛衰の論理』(千倉書房)など。教科書に『イノベーション・マネジメント』(共著・中央経済社)、『経営学の基礎知識』(共著・中央経済社)、『エビデンスから考えるマネジメント入門』(共著・中央経済社)、『ケースメソッドの教科書』(共著・碩学舎)など。ハーバード・ビジネス・パブリッシング Teaching with Cases Part I修了。

ケース概要

1986年、本田技研研究所の所長に着任した川本は、ジェット機開発を指示した。このプロジェクトチームのメンバーの1人に藤野道格がいた。ビジネスジェット開発は進められたが、ホンダ社内におけるプロジェクトの位置づけが不透明なままで、商業化の兆しは、一向に見えなかった。1996年にプロジェクトは、一度、打ち切りとなった。しかし、藤野は、諦めなかった。当時、ホンダの社長となっていた川本に直訴し、プロジェクトは、首の側一枚でつながる。藤野は、ビジネスジェット機の「常識」を打ち破る、現在のホンダジェットのデザインとなるコンセプトモデルを書き上げ、現実のものとした。以後、主翼の上にエンジンを配置したビジネスジェット機が業界で大きな反響を得ることとなる。2005年、実験機の航空ショーに出展すると、来場客から大絶賛を受けた。ここから風向きが変わっていく。ホンダは、ビジネスジェット機の商業化のために、ホンダ・エアクラフト・カンパニーを設立する。2015年12月8日、ホンダジェットがFAAの型式証明を取得し、同年12月28日にはホンダジェットの第1号機が顧客に引き渡された。
本ケース教材を通して、藤野の葛藤と、藤野が事業化の承認を受けるまでどのようなリーダーシップを発揮したのか、大企業がリスクの高い長期にわたるイノベーションをどのように推し進めるのか、商業化した後のホンダ・エアクラフト・カンパニーを今後、どのように経営していくのか、を考えさせる。

アジェンダ

導入【約10分】

  • 進行 竹内伸一

Part1 デモ授業【約90分】

このケースでのティーチングを見通すために、まずは参加者側の立場からデモセッションに参加してください。デモ授業は、グループ討議、クラス討議の順に行います。このパートへの積極的な参加のためには、充実した予習が欠かせません。すべての参加者に予習課題が課され、その事前提出が求められますことをご了解ください。

  • ディスカッションリーダー 水野由香里

Part2:授業計画の開示【約30分】

本ケースのティーチングノートはHBPにおいて未刊行)のエッセンスを紹介しつつ、水野先生のオリジナルプランも紹介します。また、討論運営の進め方に関する参加者のご質問にも可能な限り回答(その場でor後日Slack上で)いたします。

  • スピーカー 水野由香里、竹内伸一

Part3:「未来への飛行:ホンダジェット」を用いて行う経営教育のポテンシャル探求【約40分】

ここまでの議論をさらに発展させるべく、本ケースを用いて行う討論授業のフロンティアを探るための総合討議を、すべての参加者とともに行います。ビジネススクールで教えるマーケティングの枠組みを飛び越えて、さまざまな立場からの斬新な教育アイデアが交錯する場となることが、大きく期待されています。

  • 進行 竹内伸一
  • スピーカー 水野由香里、全参加者

ラップアップ【約10分】

  • 進行 竹内伸一

使用ケース

未来への飛行:ホンダジェット

※今回のケースはHBPから無償で提供されます。 参加費のお支払いが確認できた方から、日本ケースセンターよりケースPDFを配布いたします。

詳細


  • 日時 2025年6月27日(金) 13:30-16:30
  • 場所 名古屋商科大学ビジネススクール東京キャンパス 723教室(対面形式での開講です)
  • 対象 高等教育ならびに高度実務者教育の提供方法として、ケースメソッド授業を運営する立場にある方々 (CCJ会員でない方は、ご入会いただく必要があります)
  • 定員 40名
  • 参加費 13,200円(消費税10%を含む)
  • 申込締切 2025年6月20日(金) 当日のタイムスタンプある方までを対象
  • 入金締切 2025年6月23日(月)

お申し込みをいただきますと、その時点で残席がある場合は、入金要領をメールにてご案内します。この時点ではまだ申し込みは受理されていません。 クレジットカードの場合は、2025年6月23日(月)の決済完了のタイムスタンプある方までが対象。銀行振込の場合は、2025年6月23日(月)17:00までに指定銀行口座への入金が確認できている方までが対象。 入金確認のできた方から順に席をお取り致します。この時点で申し込みが受理されます。 なお、銀行振込の場合は振込先口座上での入金確認をもって入金完了とさせていただきます。実際の入金日から振込先口座上での入金確認ができるまでにタイムラグが生じる場合がありますのでご注意ください。

  • 事前課題 遅くとも前週の週末辺りには予習を始めていただき、セミナー前々日の6月25日(水)24時までに、入金が確認できた方に別途ご案内するSlack上への事前課題提出をお願いいたします。

  • キャンセルポリシー ご入金後の返金は承ることができません。

お申し込み時に登録いただいた参加者情報(氏名、役職、所属教育機関、住所、電話番号、eメールアドレス)はCCJの個人情報保護規定に則って管理されるとともに、共催者であるHarvard Business School Publishingとも共有されます。