未来への飛行: ホンダジェット
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ホンダ・エアクラフト・カンパニー(HAC)の藤野道格CEOは、革命的な小型ビジネスジェット機の計画立ち上げから米国連邦航空局(FAA)認定までを率いていた。2年近く前の認定時以来、売り上げは着実に伸び、顧客の反応は上々、生産量は順調に拡大していた。それでも藤野は市場にはまだ手つかずの可能性がたくさんあると感じていた。また、新型ジェットがコンセプトから認定まで5~10年のリードタイムを要することを考えれば、藤野は将来の開発計画をすぐにでも考え始める必要があった。一方で、認定、フル商業生産、それに販売とサービスに伴い、同社は急速に拡大していた。より大規模でさらに複雑な組織へと成熟する中で、どうすればその起業家精神を保てるだろうかと藤野は考えていた。