M-Lab:三菱商事のイノベーションを実現する
- ケース

M-Labの設立目的は、三菱商事にイノベーションマインドを浸透させること、新しいビジネスチャンスを生み出すこと、日本企業とシリコンバレーの対話を可能にすることだった。M-Labには、三菱商事の各事業部門から代表者が集まり、さらに日本の有力企業の役員も加わっていた。M-Labはまだ始まったばかりだが、代表の柳原は、その進捗に満足していた。最先端のテクノロジーを研究するエコシステムが充実し、常駐する経営者が日々業界を超えてコラボレーションし、いくつかの投資や概念実証のプロジェクトが進行中で、スタッフはイノベーション学習プログラムを立ち上げ、まもなく施設内にリテールテックのアクセラレータが最初の参加者を迎えることになるのである。M-Labから生まれたプロジェクトが商業的なビジネスへと発展していく中で、柳原はM-Labの新たな役割として、スタートアップ・アドバイザーというものを考えていた。シリコンバレーで培ったテクノロジーベンチャーのスケーリングのノウハウを、M-Labで生まれた若いベンチャーにどのようにフィードバックするのがよいだろうか? また、現在、新規事業の実行に携わっている人たちが、直面するハードルにその学びをどのように生かすことができるだろうか?