GROW: 人工知能(Artificial Intelligence)を用いて人間知能(Human Intelligence)をスクリーニングする
- ケース

2017年、日本では大卒全体の10%以上が、GROWを利用して就職活動をしていた。GROWは東京を拠点とするピープル・アナリティクスのスタートアップ企業IGSが開発した人工知能プラットフォームおよび携帯アプリである。このケースでは、初めて起業したIGSの創業者兼CEOである福原正大の立場に立って参加者は考える必要がある。彼は、集めている「ビッグデータ」の様々な使用方法や、一部の使用方法が他の使用方法よりもより有意義な(もしくは誤解を招く可能性の低い)影響をもたらすかどうかを検討している。ケースでは、IGS、福原そしてGROWを簡単に紹介した後、候補者のコンピテンシー(行動特性)やパーソナリティ(気質)を評価する携帯アプリから、企業に対して雇用すべき人に関する質の高い助言を行う人工知能(機械学習)まで、GROWの仕組みを概説している。次に、全日本空輸(ANA)、世界的コングロマリットの三菱商事、広告/メディア企業のセプテーニの3社が、人材の採用、選考、採用、配置、開発を管理するために全く異なる方法で、どうGROWを使用しているかを詳細に述べている。ケースでは、受講生に次のふたつの質問を投げかける。(1)人材獲得と開発にピープル・アナリティクスを利用する3企業のアプローチの内、どれが最も魅力的(もしくは、最も関心がある)か。(2)福原は人工知能エンジンの最も先進的な部分をオンにして、GROWが顧客に雇うべき人の助言を提供するだけではなく、理想の雇用でターゲットとすべきコンピテンシーについて、顧客の仕様(またはバイアス)を(以前の雇用者の業績や属性データを基に)覆すべきか。ケースには、これらの企業の内の1社が、採用決定を下すために利用した(匿名)データが付随する。これにより受講生は、雇用にピープル・アナリティクスを使用する機会とその課題を実際に体験できる。このケースでは、人工知能の重要な側面(教師有り、教師無、そして強化学習AI)についても、分かりやすくかつ詳細に説明している。このケースは、人材マネジメント、ピープル・アナリティクス、人材開発、組織行動、または総合管理のコースにとても適している。