スターバックスとコンサベーション・インターナショナル
- ケース
世界有数のスペシャリティーコーヒーの会社であるスターバックスは、環境に関する国際的な非営利団体(NPO)として知られているコンサベーション・インターナショナルと戦略的提携を結んだ。提携の目的は、小規模農場によるコーヒー栽培を振興し、危機に瀕した生態系を保護することであった。この提携は、同社の企業の社会的責任に関する方針とコーヒー調達戦略から生まれたものであった。最初のプロジェクトは、メキシコ南部のチアパス州で実施され、その結果、スターバックスは日陰栽培コーヒーを取扱うようになり、また、世界的な価格の下落によって、コーヒー生産者が経済的危機に陥っていた中で、コーヒー農家の協同組合は新たに魅力的な市場を得られるようになった。その一方、同社は、農家からの買取り価格の引き上げを求めるフェアトレード運動にかかわるNPOからの圧力の高まりに対応しなければならなかった。スターバックスは、コンサベーション・インターナショナルとの提携の将来、および環境的、社会的、経済的に持続可能なコーヒー生産の振興を目指した新しいコーヒー調達ガイドラインについて検討していた。コーヒー業界の性格上、供給と需要の両方を世界的見地からとらえることが求められる。