ビジネスモデルのイノベーション: ミシュラン・フリートソリューション――タイヤの販売から走行距離の販売へ
- ケース

タイヤ業界の世界的リーダーであるミシュランは、2000年にミシュラン・フリート・ソリューション(MFS)と呼ばれる、ヨーロッパの大手運送会社向けの包括的なタイヤ管理ソリューションの提供を開始した。同社はこの新たなビジネスモデルで、タイヤを販売するのではなく、走行距離(キロメートル)を販売することに乗り出したのである。この決定により、これまで製品主導型の企業であったミシュランが、サービスとソリューションの新しい世界へと移行することになる。この変化は直感的な魅力があり、ミシュランがタイヤ事業において差別化を図る機会をもたらすものだった。しかし、3年後、戦略コンサルティング企業の外部支援にもかかわらず、拡大は予想をはるかに下回り、収益は最悪の状況であった。このケースは、MFSの未来が決定を下されるべき2003年の決断の時を描いている。ミシュランはこのソリューションの提案をさらに発展させて、提案の包括内容を検討しなおすよう努めるべきか。それとも単につかの間の流行で、断念すべきものなのであろうか。