ナイキ社: 効果的な広報戦略を展開する
- ケース
ナイキの中国やインドネシアの下請け企業で、労働者が安い賃金で、長時間労働を強いられ、体罰や言葉での侮辱などを受けているという報道がなされてから、10年以上になる。この報道は、ナイキにとって、広報に関する最悪の事態となった。それまで3年間に渡る好成績から、一転して、アジアの金融危機、国内市場での競争の激化などの影響もあり、ナイキの売り上げやマーケットシェアは低迷したのである。消費者のナイキに対するネガティブなイメージと、製品の市場占有率や株価の低下が直接的に関係しているとは言いがたいが、このように競争の激しい産業で、グローバルリーダーを自認しているナイキにとって、これは重大な問題となった。ナイキが受けたマイナスの評判の時系列的な概要や、ナイキ幹部の考え方などの記述は、このような場面で、メディアの活用と消費者へのすばやい対応などがいかに重要かを理解させることができる。