ナイアンティック社:『ポケモンGO』と拡張現実ゲームの台頭
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2016年夏、ポケモンGOの前例のない成長によって、拡張現実(AR)が主流のゲーム分野に導入された。ポケモンGOはサンフランシスコに拠点を置くNiantic, Inc.(ナイアンティック)が開発した。同社はGoogleの非常に成功したスピンオフ企業であり、人気のゲームフランチャイズをモバイルゲーム市場に持ち込むために日本の任天堂株式会社と提携した。ナイアンティックのバージョンには、現実世界と人工的に創り出した現実(AR)を融合させる革新的な技術が使われていた。
この戦略は斬新だったが、リスクも伴っていた。ナイアンティックは、不正行為をするアプリやウェブサイト、すなわち同社のサーバーに負荷をかけ、一部のプレーヤーに不公平な優位性を与えているものを排除しようと決意していた。こうしたナイアンティックの対応や、そのアプリやウェブサイトに多くのプレーヤーが不満を抱いたが、一方で「ゲームの人気は急速に消えるだろう」と予測する声もあった。
2016年末までに、ナイアンティックは今後の方針を決める必要に迫られていた。ポケモンGOを引き続きチームやライブイベントを含む拡張現実ゲームとして進化させるべきか、それとも従来のポケモンゲームの要素に焦点を当てた新しいゲーム体験を作るべきか。あるいは、人気の不正アプリやウェブサイトを開発したサードパーティ開発者と提携すべきか。そして、想定外の成長をどう資金調達するか――こうした決断に直面していた。