美人税導入
- ケース
小国の財務大臣を務めるドン・ブサイク・デアールは「美人税」の導入について悩んでいる。美人税は容姿端麗と判定された人々から税金を徴収し、容姿醜悪と判定された人々へ給付金を支払うことで国内の経済格差の是正を目指すものであった。
背景には、ある調査データの存在があった。データから示唆されることは次の3点である。第一に、容姿が醜悪である場合、容姿端麗な人との間には男性で約17%、女性で約12%の所得格差が認められた。これは“黒人差別”や“女性差別”で生じる所得格差と同等のものであった。第二に、容姿の評価は極めて客観的に行うことができた。約3,000人を対象に厳正なコントロールのもとに50人ほどの審査員が容姿の美醜に点数をつけた結果、一致率は80%にのぼった。第三に、化粧や整形といった手段によって容姿の評価が反転する例もまったく見られず、ハンディは深刻であるといえた。
世界的に人種差別や性別差別に対しては相応の対処が政策などに組み込まれているものの、“ブサイク”については未だに対処されることなく根深い暗黙の差別として残っている。この現状と国の財政状況に鑑み、「美人税」を導入するかどうかがデアールに委ねられていた。
- 出版日
- 2023/09
- 業種
- 公益・インフラ
- 領域
- その他の領域
- ボリューム
- 5ページ
- コンテンツID
- CCJB-NUC-23-0032-01
- オリジナルID
- 23-0032
- ケースの種類
- 意思決定ケース/出版物・公開情報/仮名ケース/架空ケース
- 言語
- 日本語
- カラー
- 製本の場合、カラー印刷での納品となります。