ゼネラル・ダイナミクス: 報酬と戦略(A)
- ケース

ウィリアム・アンダーズは、1991年に巨大軍需企業であるゼネラル・ダイナミクスのCEOに就任した。この年には冷戦も終了しつつあり、業界全体が過剰な生産能力を抱えるようになっていた。同社が株主の期待に応えておらず、企業文化の大幅な改革を必要としている様子を見て、アンダーズは経営陣を刷新して、新たな報酬制度を導入した。この制度は、マネジャーと株主の利益とをより密接に関連づけるものだった。特に議論を呼んだのは、株価連動利益分配制度で、これにより株価が10ドル上がるごとに、キャッシュで巨額のボーナスが支払われた。この仕組みは、一時解雇や事業売却の発表により意図的に株価を操作して、トップ経営層が利益を得たとして広く批判されることになった。それでも1991年末までに株価は113%上昇し、その年の間に株主価値は12億ドルの増加を示した。