1994年、ソニーは、ヨーロッパにおける事業を一本化する組織改編を行った。これは事業効率の向上、欧州全体を捉えたマーケティングの実施、また、統合により、日本の本社と同等の位置づけとすることを意図したものであった。この改編により、国別の強力な組織は、主要な意思決定の権限の多くを失ってしまった。「ビッグバン」とも呼ばれたこの急激な変革は、開始とほとんど同時に、トラブルに直面していた。ケース（A）は、欧州の家電市場に変化をもたらしている主要な市場の力を含めた、組織改革の背景を説明している。ソニー・ヨーロッパのシリーズは、国ごとに分散した経営組織から、地域全体を統合した組織への変革における経営上の課題を描き、また、急激な変化に関わる様々なマネジメント上の問題点を提示している。グローバル・マーケティングやマーケティングの実践、変革時のマネジメントについての議論の土台として最適である。