第36回ケースメソッド研究会《ディスカッションリーダー:宝塚大学 アドゥアヨム・アヘゴ希佳子》

日時:
2022/9/30 Fri 13:30-17:00
場所:
オンライン (Zoom)
定員:
30名程度名
費用:
5,000円(今回の参加費にはケース代は含まれません)

このイベントは終了しています。

CCJケースメソッド研究会

日本ケースセンターでは、ケースで教える場のあり方を教育者間で探究し、かつ共有する目的で、2009年より「CCJケースメソッド研究会」を開催してきました。貿易研修センター運営時代に25回、名古屋商科大学ビジネススクールに運営が移ってからもすでに11回実施しており、次回が通算36回目となるロングラン研究会となっています。この研究会は必ずしもケースメソッド初心者向けの研究会合ではありませんので、毎回の会合は経験豊富な参加メンバーが中心にはなりますが、毎回必ず何人かの新規参加者も交えており、ケースメソッド教育実践の先輩後輩が触れ合う場、また人脈づくりの場としても役立っているかと思います。実際に参加している方々は、大学教員、セミナー講師、セミナー会社の教育企画担当者、企業等の教育訓練担当者などで、「研究会」と銘打ってはおりますがアカデミック一辺倒な会合ではありませんので、ケースメソッドを理解する必要度が高い方(CCJ会員であることが必須です)であれば、ご参加いただけます。

内容

本研究会は毎回平日午後の3時間半程度を使い、1)参加者の代表(ディスカッションリーダー)によるケースメソッド模擬授業、2)模擬授業へのフィードバック、の2本柱で行います。研究会に参加される会員は、この模擬授業に学修者の立場で参加し、当該のケースから自らも学ぶとともに、ディスカッションリーダーの授業運営に建設的なコメントを述べ合うことで、実践された模擬授業を磨きつつ、当該ケースでの教育可能性を拡大する方向に探究していきます。なお、本研究会は年間4回の開催を目指しております。

当日までのプロセス

本研究会の開講スケジュールと模擬授業内容は、毎回、以下のプロセスを経て決まっていきます。

決定タイミング① ひとつの研究会が終わりますと、次の研究会でのディスカッションリーダー(模擬授業運営者)が決まり、開催日が決まります。このタイミングでお申し込みいただいても構いませんが、研究会当日にディスカッションリーダーがどのようなケースを用いるかはまだ明らかでありません。

決定タイミング② ディスカッションリーダーが研究会当日に使用するケースを決め、参加者に模擬授業の目的や内容の概要を情報発信します。お申し込みはこのタイミングまでにお願いします。人数が定員に達したところで締切とさせていただきます。

決定タイミング③【研究会の15-10日前】 ディスカッションリーダーが研究会当日のディスカッションのための設問を決定し、参加者に連絡します。参加者は当日の3日程度前までに、ディスカッションリーダーが提示した設問への自分なりの回答を発言準備内容として書き出し、事前にCCJに提出しつつ、研究会の当日をお待ちいただきます。

お申し込みの方法

 CCJウェブサイトから、直接お申込みください。また、本研究会には毎回定員を上回る会員様からのお申し込みがございます。お申し込みが受理された方で当日のご参加が難しくなった方には、最後までスケジュール調整等のご努力をお願いしたい気持ちもありますが、無理なくご参加いただける方に席をお譲りいただく意義もあろうかと思います。各自のご判断でかまいませんので、お早目にご連絡いただくこともご検討ください。なお、はじめて参加される方は、事前に日本ケースセンター竹内宛(info@casecenter.jp)にご連絡いただくか、すでに本研究会に参加経験のある会員からの簡単なご紹介メッセージを、メールに添付するなどしてお送りいただけますと幸甚です。


今回(第36回)の詳細


◇ディスカッションリーダー


宝塚大学東京メディア芸術学部 専任講師
アドゥアヨム・アヘゴ希佳子


◇モデレーター


名古屋商科大学ビジネススクール 教授
竹内 伸一


◇今回使用するケース


日本企業で苦悩する外国籍社員」(CCJケース)
**各自の予習に向けて、ケースはCCJサイトから事前にご購入ください。

〈ケース概要〉
東南アジア出身のアディは、厳しい競争を勝ち抜き、大手自動車企業A社に入社した。日本語研修と工場研修を経て、部品開発部署に配属された。日々の業務はグループ単位で行われる。アディは、部品の不具合に関する英語のメールを読み、日本語で整理し、同じグループのメンバーに内容を伝える。この作業に問題はないと思っている。しかし、プロジェクトリーダーの住吉に報告する際にはいつも問題が生じる。アディが説明すると、分からないから先輩を呼ぶようにと言われるのだ。しかし、先輩が説明する内容は、自分の説明と同じだとアディは思っている。なぜ自分は信用されないのか、完璧な日本語を求めるのならば、なぜ日本人を雇わないのか、と不満に思っている。また、議論をする際も、アディは積極的に発言することができず、リーダーシップを発揮したいのにできていない。A社は将来性のあるいい会社であり、待遇面にも満足しており、母国の支社で働く際にきっと今の経験が役に立つと期待している。しかし、外国籍社員としてA社で昇進するのは難しく、A社を辞めて母国で活躍している友人たちの話を聞くと、もっと実力を認めてもらえるよい職場で働きたいという気持ちも出てくる。

◇モデレーターからのメッセージ

今回ディスカッションリーダーを務めていただくアヘゴ先生は、日本語教育のフィールドで研究と教育の両面で活躍されている若手の研究者教員です。「日本語教育」という響きから、少々「畑違い」な感覚をもたれた会員もいらっしゃるかもしれませんので、少し説明をさせていただきます。

アヘゴ先生をはじめその周囲にいらっしゃる先生方のスコープは私たちの想像以上に広く、「日本語教育」という分野名だけでその守備範囲を判断すべきではありません。今回のケースもアヘゴ先生のケース作成過程には、日本語教育と経営教育分野のケースメソッドインストラクターが大きく関わり、完成したケースは慶應義塾大学ビジネス・スクールのウェビナーでも使用され、日本語教育関係者にも経営教育関係者にも強いインパクトを与えました。

本ケースは、一義的には日本語教育の文脈で作成されたケースですが、実際に討論をしてみると、日本語教育を受けた外国籍社員と日本企業の関係を深く考えさせるケースにもなっていて、日本語教育と経営教育が「地続き」であることを実感させてくれます。

いつもご参加いただいている経営教育分野の方にも、日本語教育分野の方にも、ケースメソッドの活用可能性を模索されているさまざまな教育分野の方にもぜひご参加いただき、日本語教育分野で花開こうとしているケースメソッド教育にエールを送る場になればと願っています。

◇ディスカッションリーダーからのメッセージ

私アヘゴは日本語教育実践者・研究者として留学生をはじめとする外国籍の方々に寄り添い、彼らの日本社会に対する様々な本音を耳にしてきました。これらの生の声を書き留めたケースを用いてケースメソッド授業を行い、様々な分野の方々に、日本に住む外国籍の方々について深く考えていただくことにより、よりよい社会を創っていくための貢献ができるのではないかと考えております。今回のケースでは、設問2の答えは何もないとあきらめずに、ぜひじっくりと考えていただきたいと思います。

◇ディスカッション設問(予習課題)

1.アディさんの不満とその原因は何だと思いますか。

2.あなたが住吉さんだとしたら、アディさんという外国人材を活かすために何をしますか。


◇事前課題提出


提出期日:9月28日(水)
提出方法:slack上での提出
     ※提出先のslackについてはご入金後ご案内致します


◇開催情報


日時 :2022/9/30(金) 13:30-17:00
定員 :30名程度
参加費:5,000円(今回の参加費にはケース代は含まれません)
お申し込みいただいた方にお支払い方法の詳細をご案内致します。
・キャンセルポリシー ご入金後の返金は承ることができません。